テレワーク・在宅勤務の導入 -既存システムからの脱却-

新型コロナウィルスの感染が拡大し、テレワークが普及したように見えましたが、緊急事態宣言解除後は、テレワークの実施を中止した企業も多くあるようです。
社内インフラの整備が追い付いていかないのが大きな理由だといわれています。
コロナ禍では、DX化が進みました。しかし、ビデオ会議やチャットツールなど、Saas(Software as a Serviceの略。クラウドで提供されるサービス)の利用が増えたのみで、Iaas(Infrastructure as a Serviceの略。『仮想サーバ』『ハードディスク』『ファイアーウォール』などのインフラの提供がされるサービス)の利用は、まだ普及が進んでおらず、欧米などの先進国に比べて、大きく遅れているのが現状です。
既存システムからの脱却
日本企業のITインフラは、オンプレミスが基本となり構成されていました。
自社のオリジナルで開発されたサーバの上で業務システムが稼働しているので、業務もセキュリティポリシーもそれを中心にまわっているので、そこからの脱却ができず、緊急事態宣言解除後にはもとのスタイルに戻っているということのようです。
しかし、これだけ社会活動も、経済情勢も変化している現在において、以前のワーキングスタイルに戻すだけでよいのでしょうか。
もし、システムがブラックボックス化していて脱却ができない場合は、注意が必要です。
2025年の崖
経済産業省は、多くの日本企業が「2025年の崖」を乗り越えない限り、日本経済は2025年から2030年にかけて年間12兆円の経済的損失を被ると警鐘をならしています。
「2025年の崖」とは、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合に想定される国際競争への遅れや日本の経済の停滞などを指しています。
具体的には、
既存システムのブラックボックス状態を解消しつつ、データ活用ができない場合、
1)データを活用しきれず、DXを実現できないため、市場の変化に対応して、ビジネス・モデルを柔軟・迅速に変更することができず→ デジタル競争の敗者に
2)システムの維持管理費が高額化し、IT予算の9割以上に(技術的負債※)
3)保守運用の担い手不在で、サイバーセキュリティや事故・災害によるシステムトラブルやデータ滅失等のリスクの高まり
※技術的負債(Technical debt):短期的な観点でシステムを開発し、結果として、長期的に保守費や運用費が高騰している状態
前時代的なITインフラ、レガシーシステムからの脱却をはからない限り、「2025年の崖」は乗り越えられないのではないでしょうか。
このコロナ禍では、テレワークを行う環境にはクラウドの活用が有効な手段だというのは、充分に証明されています。
テレワークを行うということだけではなく、企業の競争力や効率向上、働き方改革「2025年の崖」といった観点からも、クラウドシフトを進めていくのは、今なのではないでしょうか。
何から取り組んだらよいかわからない場合は専門家に相談するのがよいでしょう。
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